こんにちは,相原 有希です.
以前「ケアンズ」をAUSワーホリの開始地点にすべきではない2つの理由という記事にも書きましたが,
ワーホリ留学者がケアンズで働こうと思った場合,英語力に堪能でない限りは,日本食レストラン(ジャパレス)のホールあるいはキッチンスタッフとして勤めることになるでしょう.
ただし,経営者の中には賃金水準や労働条件にかかる法令を遵守していない人も少なからずいるので注意が必要です.最低賃金を割っていたり,支払いが遅れたりする場合もあるようです.
今回は,ケアンズに2週間滞在した中で僕が見聞きした,某アジア系レストランにおける「待遇」についてお話していこうと思います.
オーストラリアの最低賃金(2018年4月15日現在)
オーストラリア政府の「Fair Work Ombudsman」というサイトによれば,
- 例えばレストラン業界において
- 平日の朝6時〜夜10時までの時間帯に勤務した場合の
最低賃金は18.29AUD=約1518円(1AUD=83JPYのレートで計算)です.
外国人労働者は待遇が悪い?
同サイトに
Myth: The minimum wage doesn’t apply to people from overseas
Fact: Overseas workers in Australia are entitled to the same minimum pay rates, conditions and workplace rights as Australian workers.
とあるように,賃金や労働環境にかかる条件は外国人労働者にも等しく与えられると明記されています.
▲所得税
税制改革により,ワーホリメイカーの所得にかかる税額が0→15パーセントに引き上げられました.
ATO:オーストラリア税務局の発表記事
From 1 January 2017, as a working holiday maker the first $37,000 of your income is taxed at 15%, with the balance taxed at ordinary rates.
例えば時給20AUD=約1660円で働いた場合,1時間あたり15%(3AUD)が「所得税」として天引きされ,手取りは17AUD=約1411円となります.
▲年金
さらに,税引き前の賃金に対して9.5%が「年金」としてプールされます(天引きではありません).上の例でいうと,1時間あたり20×9.5%=1.9AUDが年金額として積み上げられます.
年金はオーストラリアから日本に帰国するときに返還請求することができますが,オーストラリアと労働者の取り分は65:35です.
例えば,滞在中に積み上がった年金の総額が1000AUD=約83000円のとき,65%(650AUD)はオーストラリアに納めて,35%(350AUD)だけを手にすることができるという仕組みです.
ジャパレスの話
ただし,所得税や年金のシステムが適用されるのは,国からきちんと認可を受けている事業者の下で働いた場合のみ.
日本人ワーホリメイカーが従事するジャパレスの多くでは,基本的に給料は現金手渡し,最低賃金割れ,長時間労働…と,グレー〜ブラック状態がまかり通っているのが実情です.
ケアンズの某レストランの場合
前置きはここまでにして,ここから本題に入ります.レストランスタッフの求人は,日豪プレスやCheers,Jams.TVといった日本人向けの方法サイト上に投稿されます.
しかし,求人広告に待遇(時給等)の情報が記載されていることは稀で,ほとんどは店舗への問い合わせ時点あるいは面接の場において初めて明かされます.
その場で「NO」と言えれば良いのですが,貯金が少ない人は何とかして食い扶持を見つけようと切羽詰まっているため,悪条件でも首を縦に振ってしまうことが多いんです.
僕が入手した情報では,ケアンズ市内に複数の店舗を持つ「レストレランA」では以下のような条件で従業員を雇用しています(2018年4月15日現在,確かな情報です).
- 時給:税引き後(手取り)で14.5AUD(試用期間中)*
- 試用期間終了後,上がるかどうか不明 **
- 労働時間は,配属先店舗や本人の意思により変動
- まかない2食(昼・夜)付き
- 給料の支払いが遅れることが多い ***
* 15%の所得税を掛け戻すと時給は17.01AUD.オーストラリアの最低賃金水準18.29AUDをやや下回っています.
** 最初の3〜4時間が「トレーニング期間」として設定されているそうですが,その後の賃金にどう影響が出るのかは不明.
*** 給料の支払いが遅れる件については現役スタッフの方によるリークです.
レストランAの待遇じたいはまだまだマシな方と言えるでしょう.ただ,給料の未払い,あるいは支払い遅延は完全にアウトです.
外国人労働者の弱さ
実は僕は大学生の頃に,札幌市中央区のとある韓国料理店でアルバイトをしていたことがあります(もう潰れました).そこでは韓国から日本へのワーホリ留学生も何人か働いていました.
在日韓国人がオーナーのその店では,給料の支払い遅れ,滞納が横行していて,僕も労働基準監督署になんども足を運んだ苦い経験があります.
スタッフの中には給料がもらえず韓国へ帰国してしまった人もいたほど.当時は「ひどいなー」ぐらいに思っていましたが,自分がいざ外国人として異国で働いてみると,その立場の弱さも痛感します.
例えば,自分が努めているレストラン(ジャパでもローカルでも)においてきちんと給料が支払われない場合,あなたならどう行動しますか?
前述したFair Work Ombudsmanへ英語で掛け合いますか? 理不尽な使われ方をしている現状を,果たして英語で正確に伝えられますか?
こうした部分でどうしても不利になりがちなワーホリメイカー.たとえ同じ日本人がオーナーの場合でも,TAXをチョロまかすようなケースも多いということをあらかじめ知っておきましょう.
理想は,しっかりと英語力を身につけてローカルジョブを見つけることですね(大変ですけど).
まとめ
書きたいことを羅列しただけで読みづらい文章になってしまいましたが,本当に言いたかったことは次の3つ.
- オーストラリアの最低賃金は18.29AUD(税引き後は15.55AUD)
- 外国人だからといって不利に働かされるルールは無い
- ジャパレスの中には不当に安く雇い入れるところも多いので注意
一生に一度きりのワーホリ期間を有意義に過ごすために,できるだけ条件の良い仕事を見つけたい!
「英語力」はそのための重要な要素なので,日本にいるうちからバリバリ鍛えておいて絶対に損はありません.
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