USCPA(米国公認会計士)試験の基本情報まとめ【科目, 難易度, 費用, キャリア】

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まずはUSCPAの試験じたいのお話をサクッとさせていただければと思います。

1. USCPA(米国公認会計士)試験の概要

その名の通り、基本的には米国内で通用する公認会計士の資格。ただし、米国以外の国(例:オーストラリア)でもその資格を活かして働くことができます。

USCPAはアメリカの国家資格です。アメリカでは通常CPA(Certified Public Accountant)と言いますが、日本国内では日本の公認会計士と区別するためUSCPAや米国公認会計士と呼ばれることがほとんどです。

 

2. USCPA(米国公認会計士)試験の受験資格

USCPAの受験に必要なのは (1)大学の学位 と (2)会計・ビジネス科目の単位 の2つです。

多くの州では、学歴要件として大学の学位に加え「会計学」や「ビジネスに関する科目」の単位を必要としています。

「会計学」には、財務会計や監査、税法、管理会計、原価計算などが含まれます。「ビジネスに関する科目」には、経済学や商法、経営学など、経済学部や経営学部で履修する多くの科目が含まれます。

 

3. USCPA(米国公認会計士)試験の4つの科目

USCPA(米国公認会計士)の試験科目は、以下の4つです。

  • FAR (Financial Accounting & Reporting):
    企業・政府・非営利法人の会計
  • BEC (Business Environment and Concepts):
    経済学、財務管理、IT、管理会計、コーポレートガバナンス
  • AUD (Auditing and Attestation):
    監査、証明業務、職業倫理
  • REG (Regulation):
    税法、商法、企業体

1FAR(財務会計・政府・公会計)

Assets 流動資産、固定資産など
Inventory 在庫の計算
Bonds and Other Liabilities 社債と負債
Leases リース会計
Pensions 年金会計
Deferred Taxes 税効果会計
Partnerships パートナーシップ
Ratio, Foreign Currency & EPS 財務分析、一株当たり利益
Cash Flows キャッシュフロー計算書
Consolidation 連結財務諸表
Revenue Recognition & I/S Presentation 収益認識と損益計算書
Stockholders’ Equity 株主資本
Governmental Accounting and Non for Profit 政府会計と非営利法人会計
IFRS 国際財務報告基準

2BEC(ビジネス環境および諸概念)

Corporate Governance コーポレートガバナンス
Microeconomics ミクロ経済学
Macroeconomics マクロ経済学
Financial Management 財務管理
Information Technology IT
Cost& Managerial Accounting 原価計算・管理会計

3AUD(監査・証明業務、職業倫理)

Audit Standards 監査基準
Planning 監査計画
Internal Control 内部統制
Evidence 監査証拠
Reporting 監査報告書
Other Reports & Other Services その他のレポーティングと監査以外の業務
Statistical Sampling サンプリング
Professional & Legal Responsibilities 職業倫理
PCAOB PCAOB

4REG(法規・税法・職業倫理)

Individual Taxation 個人所得税
Property Taxation 財産法
Corporate Taxation 法人税
Partnerships, Estate, Trust パートナーシップ、信託
Business Entities 企業構造
Contracts 契約
Sales 売買契約
Commercial Paper 手形・証券
Secured Transaction 担保取引
Bankruptcy 破産法
Government Regulation その他の法規
Professional & Legal Responsibilities 職業倫理
Fiduciary Relationships 信任、代理人

 

4. 試験の合格基準と科目合格制度

全項目の4科目全てに合格すると試験合格となります。ただし、科目合格制度が採用されておりますので、一定期間内で4科目を合格すればよいことになります。

ある科目を合格した場合、合格保持期間がその科目を受験した日から18ヶ月として設定されます。残りの科目を期間内に合格する必要があります。

18ヶ月経過してしまった場合は、その科目の合格実績が失効してしまい、再度受験して合格しなくてなりません。

合格基準

試験に出題される問題は、データベース内の複数の問題からコンピュータが抽出して出題されます。

全ての受験生が同じ問題を出題されるわけではありません。最高得点は99点で、75点の合格基準は相対式評価で決められます。尚、受験時期や問題間の難易度のばらつきにより不公平が極力ないように調整されています。

合格者を人数で決定するものではありません。また、出願州や試験会場により難易度や合格点に格差が与えられることもありません。

全米統一で合格基準が算定され、合格率は各科目とも概ね40%台後半です。

受験会場

USCPAの試験はプロメトリック社のテストセンターで行われており、受験日は受験者自身がテストセンター予約サイトにてスケジューリングします。

テストセンターは、各期の最初の2か月と、3か月目の1日-10日に開催しております。各月の何日に受験できるかはテストセンターの営業日や予約状況によって異なります。

試験日程・回数

1年をWindowという名称で3ヵ月毎に分けて試験を実施しています。受験生は各Window内で各科目につき1回受験することができます。つまり、同じ科目を年に最大4回受験できます。

米国受験、日本受験共に各期の最初の2 か月と、3か月目の1日-10日に受験が可能です。試験実施月内の各テストセンターの営業日内で自由に予約が可能となります。営業日はテストセンターによって異なります。尚、各Windowの最終月は試験は実施されておりません。

試験結果

科目の試験結果は、NASBA SINGLE SIGN ONよりログインすればいち早く確認することが可能です。その後、CPA Centralの自身のページにも反映されます。

 

5. USCPA(米国公認会計士)試験の受験に必要な費用

単純な受験料金は、1科目あたり$208.40(約2万3000円)、4科目では$833.60(約9万円)です。

しかし、もしも日本国内でUSCPA(米国公認会計士)試験を受験する場合は、ここに追加料金として1科目あたり$356.55(約3万8000円)のInternational Fee(国際試験追加料金)がかかってきます。

したがって、4科目すべてを国内で受験する場合の費用は$2,259(約24万円)に達します。

また、単位要件に満たない場合は不足単位を取得してからエントリーする必要があり、そこにも別途費用が発生する場合があります(どれくらい単位取得が必要かによって金額も左右されますので、ここでは割愛します)。

……という感じで、とにかくお金のかかる資格だということが言えるでしょう。受験者のほとんどが社会人である理由がこの辺りにあるんでしょうね。

 

6. USCPA(米国公認会計士)試験全科目合格後のキャリアパス

試験合格後のキャリアパスとしては、国内外の

企業の経理・財務、会計事務所、監査法人、税理士法人、コンサルティング会社

などに転職する人が多いです(後述します)。

 

7.「全科目合格者」と「ライセンスホルダー」の違い

USCPA(米国公認会計士)試験の4科目すべてに合格した時点では、まだ「CPA(公認会計士)」のライセンスは有していません。あくまでも「全科目合格者」という立場です。

ライセンスとは米国公認会計士として独占業務を行うための免許です。ライセンス登録をすることで、米国内で職業会計士として独立開業や監査報告書への署名が可能となります。

また、自身を米国公認会計士(USCPA)と名乗ることが可能となります。ライセンス登録をするためには、必ず実務経験が必要です。

このように、全科目合格 → 実務経験 → ライセンス取得 というステップを踏むことになります。

ただし、必ずしもラインセンスを取得しなければならないというわけではなく、実際に「全科目合格」のステータスのまま大手監査法人に勤めている人も大勢いらっしゃいます。

あくまでも自分のキャリアプランと相談しながらゆっくり考えていきましょう。

USCPAに効率よく合格するには,予備校を利用するのも有効な手です.以下の記事で「ProActive」と「Abitus」の2校を徹底比較しているので,CPA受験予定の方はかならずチェックしてくださいー!

【2018】USCPA(米国公認会計士)おすすめ予備校2校 徹底比較

2018.02.24
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