天才シュリーマンの英語学習法が結局最強である理由を今さら解説する

こんにちは、英語ブロガーの相原 ユーキです。

世の中さまざまな英語学習が溢れていますが、結局シュリーマンの取ったアプローチが堅実かつ最強だと思うんですよね。

今日Evernoteを整理していたときに『古代への情熱』の一節(語学習得に関する部分)のメモを発掘したので、引用しながらコメントを添える形式でご紹介します。

 

ハインリヒ・シュリーマンとは|略歴


ヨハン・ルートヴィヒ・ハインリヒ・ユリウス・シュリーマン(ドイツ語: Johann Ludwig Heinrich Julius Schliemann, 1822年1月6日 – 1890年12月26日)

ドイツの考古学者、実業家。幼少期に聞かされたギリシア神話に登場する伝説の都市トロイアが実在すると考え、実際にそれを発掘によって実在していたものと証明した。
出典:Wikipedia

その商才や考古学者としての実績で知られているシュリーマンですが、同時に「語学の達人」でもありました。生涯でマスターした言語の数は18にも及ぶそうです。

インターネット(=情報)も無い時代にこの成果を上げるのがどれだけすごいことか、想像に難くありませんよね。以下、シュリーマンの取った具体的なアプローチをみていきましょう。

 

言語習得のきっかけは貧困と下心

しかしこの貧困と、懸命に働けばこの貧困から解放されるという確実な見通しとが、私をば何ものよりも学習へと追い立てたのであった。そのうえ私はミナに値することを示そうとの願望を抱いていたが、これは私に不屈の勇気をさましまた育てた。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

シュリーマンの自伝『古代への情熱』のタイトルからも推測できるように、彼には情熱がありました。熱量がとにかくハンパじゃなかったんです。

しかしその動機は、貧困からの脱却、そしてミナという女性を手にしたいという欲望からでした。動機なんて何でもいいんですよね。それが必要に迫られただけだとしても、下心があっただけだとしても。

 

情熱がなければ、はじまらない

そこで私は異常な熱心をもって英語の学習に専念したが、この時の緊急切迫した境遇から、私はあらゆる言語の習得を容易にする一方法を発見した。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

大切なのは、いざというときに自分を突き動かしてくれるような目標であること。つまり、高いモチベーションが維持できるターゲットであるかどうかです。

目標を達成した先に、自分の心がときめく「何か」がなければ頑張れない。あるいはお尻に火がついていなければ頑張れない。これはシュリーマンも僕たちも一緒でしょう。英語学習のスタート地点なんて、「モテたいから」でも全然良いんです。

 

シュリーマンの語学習得のカギは「暗誦」にあり

このかんたんな方法とはまずつぎのことにある。非常に多く音読すること、決して翻訳しないこと、毎日一時間をあてること、つねに興味ある対象について作文を書くこと、これを教師の指導によって訂正すること、前日直されたものを暗記して、次の時間に暗誦することである。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

英語を短期間で習得するためにシュリーマンがおこなった方法がいくつか列挙されています。

  • 非常に多く音読すること
  • 決して翻訳しないこと
  • 毎日1時間を当てること
  • つねに興味ある対象について作文を書くこと
  • 教師の指導によって(作文を)訂正すること
  • 前日直されたものを暗記して、次の時間に暗誦すること

これが語学習得の近道であり、「かんたんな」方法であるとシュリーマンは言っています。これらの方法を要約すると、学んでいる言語を「実際に使用」する、というのがポイントになっています。

僕もそうでしたが、例えば英語の勉強をするにしても、僕たちは「実際に使ってみる」という視点を欠いてしまいがちです。英語試験のハイスコアを持っているけれどまったく喋れない、とか、そういう人が非常に多い。

この点シュリーマンは違っていて、学習の過程で英作文をガリガリ書いたり、英文を丸ごと暗誦して披露してみたりと、言葉を身体に染み込ませていく努力をおこなったんですね。

「できるようになってから ……」とか「英語をマスターしたら ……」などと腰が引けてしまう人は、未熟な段階でも良いのでどんどんアウトプットしていくべきだなーと。やっぱり使わなければ覚えないし、いつまでたってもマスターできませんから。

 

言語学習は「マネ」からはじめよう

できるだけ早く会話をものにするために、日曜日には英国教会の礼拝にいつも二回はかよって、説教を傾聴し、その一語一語を低く口まねした。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

何事も「真似」から始めるのが良いと言われますが、シュリーマンも教会の説教を聞きに行っては口まねをしていたようですね。これはシャドーイングというれっきとした練習法で、僕も心からオススメしているアプローチでもあります。

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ネイティブスピーカーの音やリズムを耳を傾けて身につけることは、語学の習得には必須なんですよね。これは教科書や単語帳だけでは絶対に身につかない要素です。当然ですが、やっぱりネイティブ最強ですよ。

ちなみに僕もシュリーマンの影響を受けて、オーストラリアは滞在中はクリスチャンでもないのに教会に通っていました。そこでネイティブの牧師さんの英語を聞いて、何となく真似をしていました。

英語がまったく喋れない状態でオーストラリアへ行って、1ヶ月後にはけっこう喋れるようになったので、前述のアプローチは有効だったと思います。

 

スキマ時間というスキマ時間を活用

私の記憶力は少年時代からほとんど訓練しなかったから、弱かったけれども、私はあらゆる瞬間を勉学のために利用した。まったく時を盗んだのである。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

僕が一番好きなフレーズが、この「まったく時を盗んだのである」です。時を盗む、とはどういうことかと言うと、以下で紹介するような方法で時間を創出することを指しています。今風にいうと「スキマ時間の活用」ですね。

どのような使い走りにも、雨が降ってももちろん、一冊の本を手に持って、それから何かを暗記した。何も読まずに郵便局で待っていたことはなかった。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

僕たちの手には常にスマホが握られているけど、これは考えもの。確かに便利だけど、そのぶん誘惑もありますからね。だらだら漫然とスマホゲームやネットサーフィンに時間を浪費してしまう人も多いです。

強い意志を持って、学習アプリやEvernoteを利用するのなら全然オーケーですが、自制心の無い方はあえて紙の本(洋書や英単語帳、参考書)を持ち運んでみるのが良いかもしれません。ある程度の不便さは勉強に効きますから。

いずれにせよ、「一分一秒も無駄にしない!」という姿勢が、高い集中力を生むことをシュリーマンから学ぶことができます。

 

インプットはやはり夜間におこなうのが良さそう

過度の興奮のために私はごくわずかしか眠れないので、夜中にさめているすべての時間を利用して、夕方に読んだことをもう一度そらでくり返した。記憶力は昼間より夜ははるかに集中するものであるから、私はこの夜中にくり返すことは最も効果があることを知った。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

睡眠中に記憶の整理(不要な記憶の削除)が行われ、だから暗記・インプットはなるべく寝る前に行なう方が良い。僕たちは本やテレビでこうした事実を知ることができています。

シュリーマンの生きた時代にこのような研究結果が存在したのかはわかりませんが、どうやら彼はトライアル&エラーとか肌感覚というものを頼りにこの法則を見つけ出したようです。

僕も公務員試験の学習中は、朝方はアウトプット(問題演習)に、夜間はインプット(暗記)に取り組むようにしていました。逆も試しましたがうまくいきませんでした。

 

英語の基礎固めは半年でできる

私はこのような方法をなんぴとにも推薦する。このようにして私は半か年の間に英語の基礎的知識をわがものにすることができた。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

これまで紹介したようなアプローチで、シュリーマンはたった半年間で英語の基礎を固めたそうです。彼の学習方法は非常に理に適っているから、短期間でそれだけの成果を上げたと聞いても少しも不思議ではありません。

「私はこのような方法をなんぴとにも推薦する」とあるように、どんなタイプの人にも有効なアプローチだと感じます。英語をはじめとする外国語の習得に苦戦している人はシュリーマンのやり方を真似してみてはいかがでしょうか。

  • 非常に多く音読すること
  • 決して翻訳しないこと
  • 毎日1時間を当てること
  • つねに興味ある対象について作文を書くこと
  • 教師の指導によって(作文を)訂正すること
  • 前日直されたものを暗記して、次の時間に暗誦すること

ですよ!

 

爆発的に伸びていく語学力

つぎに私は同じ方法をフランス語の勉強にも適用して、つぎの六か月でそれに熟達した。フランス作品のうちで私はフェヌロンの『テレマコスの冒険』とベルナルダン・ドゥ・サン・ピエールの『ポールとヴィルジニー』とを暗記した。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

一度でもひとつの言語をマスターした人は、その他の言語習得も容易になると言われます。シュリーマンは英語学習と同じ方法を、フランス学習にも応用してみせました。

(1)外国語の学習の「コツ」がわかるようになること、そして(2)脳内に外国語の回路が出来上がることが要因だと思います。

大変なのはひとつ目だけ。とりあえず英語学習にしっかりと注力することが、言語学習において二重の意味で重要なんですよね!

この不休の猛勉強によって一年間に私の記憶力は強くなり、オランダ語、スペイン語、イタリア語およびポルトガル語の習得が非常に容易になった。これらの言葉のいずれをもりゅうちょうに話しまた書くことができるためには、私は六週間以上を必要としなかった。
出典:古代への情熱-シュリーマン自伝(岩波文庫)

英語学習時には基礎固めに半年を要したにもかかわらず、第三、第四 ……の言語習得は一月余りしかかかっていません。成長スピードが急激に伸びていることがここからもわかりますね。

商人であったシュリーマンと違い、普通の人にはそこまでたくさんの言語を習得する必要性は無いのかもしれませんが、脳は鍛えれば鍛えるほど強くなることがわかる好例でしょう。

僕も英語の次はデンマーク語とかやろうかな ……。

 

さいごに

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回の記事では、ビジネスと考古学の分野で偉大な成功を納めたシュリーマンの「言語学習」の部分だけにフォーカスして、色々と解説を添えてきました。

ポイントは、「言語は、実際に使いながら学ぶべき」であるという点ですね。文法や単語の勉強ももちろん大切ですが、並行して英会話等でガシガシ英語を使ってフィードバックをもらうことが重要でしょう。

詳しくは以下をどうぞ!